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フッ素塗布

フッ素塗布による虫歯予防効果

虫歯予防にはフッ素塗布が良いと聞いていても、フッ素とは何かを知らなければ、お子様に施術させようとは思わないでしょう。フッ素とは何か、虫歯予防に効果はあるのかなど、フッ素塗布の基本からご紹介します。

歯医者でのフッ素塗布治療を受けている女の子

そもそもフッ素とは?

フッ素は元素名であり、歯科において塗布される物や食材の中に含まれている物は、正確にはフッ化物と呼びます。だからといって、「フッ素塗布」「フッ化物塗布」の内容が違うという訳ではなく、フッ化物というよりもフッ素という方が見慣れていることから、歯科医院では「フッ素塗布」と表記していることがあります。

元素であるフッ素は猛毒ですが、自然の中では単体で存在することはなく、大抵は他のものと結びついたフッ化物として存在しています。小さな違いに思えますが、例えば、呼気に含まれる二酸化炭素(CO2)には毒性がありませんが、一酸化炭素(CO)は危険な中毒症状を引き起こす原因になるように、小さな違いでその性質は大きく変わります。フッ化物は、土や海はもちろん、肉や魚、野菜にも含まれており、毎日の食事のなかで摂取していますが特に問題はありません。

フッ素の安全性

フッ素単体では危険ですが、歯科で使用されている溶液やジェルに配合されているものは、特に危険性はありません。もちろん、一度に大量に摂取すると身体に影響が出ますが、塩分のとり過ぎで高血圧になるのと同様で、フッ素特有の反応ではありません。

容量を守って適切に使えば、危険はありません。歯科医院ではフッ素の量に注意を払っておりますので、安心してフッ素塗布による予防をお受けください。

フッ素塗布は何歳から?

フッ素塗布が特に効果を発揮するのは、歯の生えはじめの時期です。乳歯は6ヶ月~3歳ごろまで、永久歯は4歳~14歳ころに生えてきますので、その時期にフッ素塗布をしたり、フッ素配合の歯磨き粉や洗口液などを利用したりすると、虫歯予防に効果的です。
もちろん、挙げた期間以外に使っても虫歯の予防になりますし、大人にも効果がありますので特定の時期だけと考えずに、定期的にフッ素塗布を続けると良いでしょう。

歯医者でのフッ素塗布治療を受けている不安そうな顔をして男の子

フッ素を塗布するメリット

フッ素は虫歯予防に効果的だと言われていますが、具体的にはどのような働きがあるのか分からない方も多いでしょう。なぜフッ素が歯を強くするのかをご紹介します。

酸に対する耐性

食事のたびに歯の表面のエナメル質は溶かされていますが、歯を磨いたり時間を置いたりすると口腔内の酸とアルカリのバランスは元に戻ります。同時に、唾液に含まれるミネラルが歯の表面を修復します。エナメル質のカルシウムやリン酸が溶けだす脱灰と、修復する再石灰化のバランスが取れていないと虫歯となってしまいます。

歯の主な材質であるハイドロキシアパタイトが、再石灰時に取り込まれたフッ素と触れることで、フルオロアパタイトという結晶に変化します。このフルオロアパタイトは、ハイドロアパタイトよりも虫歯菌が出す酸に強く、溶かされにくいです。フッ素には虫歯菌が作り出す酸に対する歯の耐性を高める働きがあります。

再石灰化の促進

口内の常在菌と唾液のバランスが崩れていたり、歯質が弱くなっていたりすることで、再石灰化よりも脱灰が優勢となり虫歯になってしまいます。フッ素には、歯がミネラルを補給するのを促す働きがあります。フッ素はごく初期の虫歯の部分にカルシウムの結晶を作って、治療をする働きがあると分かっています。

細菌の酸産生を抑制

虫歯菌が糖分を摂取して、ネバネバしたグルカンを産出してプラーク(歯垢)となります。プラーク内で虫歯菌は増え、糖をエサにして酸を生み出して歯を溶かすことで、虫歯になります。乳歯や生え変わったばかりの永久歯は、大人の永久歯よりも柔らかいため、細菌の作り出す酸に弱く、虫歯になりやすいです。

フッ素を歯面に塗布することで、落としきれなかったプラーク内の細菌にフッ素が取り込まれ、虫歯菌の働きを阻害して酸の生産力を抑制します。フッ素の塗布により、歯を強くしながら細菌の働きを抑制することができます。

フッ素塗布の方法

フッ素には、虫歯を予防し、歯を強くするなどの働きがあります。特に、永久歯よりも柔らかい乳歯を持つお子様や、また永久歯に生え変わったばかりのお子様は、虫歯になりやすいので、フッ素塗布よる効果が期待できます。

1 親御さんとカウンセリング

フッ素塗布の流れや注意事項、安全性などをご説明いたします。きちんと同意をいただいてから施術いたしますので、疑問や不安はカウンセリングにてご相談ください。

2 歯の清掃

フッ素塗布の効果を最大限に発揮させるために、歯ブラシや専門のクリーニング器具で歯の表面についたプラーク(歯垢)を落として、歯を綺麗にします。

3 防湿

丸めた綿などで、フッ素を塗布する歯を防湿し、唾液がかからないようにします。また、フッ素を塗布する歯の表面を、綿や空気の出る器具で乾燥させます。

4 フッ素の塗布

フッ素配合のジェルや溶液を、歯面全体に塗布し終わったら、1~3分間ほど薬剤を浸透させます。うがいが出来ないお子様の場合は、ジェルを使うのが普通です。

5 フッ素のふき取り

除湿のために入れていた綿を取り除き、ジェルの場合は歯に付着しているジェルをふき取り、溶液の場合はうがいさせて、余分なフッ素を取り除きます。口の中に溜まった唾液を吐き出させるか、吸引して終了です。

6 施術後の注意

せっかく施術したフッ素塗布の効果が薄れてしまうので、施術後は少なくとも30分は飲食やうがいをしないでください。また、フッ素塗布は1回施術しただけでは、本来の効果が発揮されませんので、定期的に継続して塗布するようにしてください。

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